胃痛・腹痛が続くときに必要な検査 (上腹部と下腹部に分けて解説)
消化器内科の症状として一番多いのはやはり胃痛・腹痛という表現だと思います。
胃痛というのは本来は胃が原因かわからないので、上腹部痛というのが正しいです。
場所によって考えうる疾患が異なり、大まかに上腹部痛(左、右、真ん中)と下腹部痛(左、右、真ん中)があると思います。
診療の流れ
実際のところやるべき検査は、当院で基本的にすべて可能です、治療が当院で困難な場合は大きな病院に紹介という流れかと思います。
何よりもまず最初にするのは当然問診と触診です。
問診で大事なことは、痛みが徐々に悪くなっていないかと、一過性でなく長期的に続くかという点です。
そして実際に触ってみて緊急性を経験則から判断します。
その次に精査となった際は候補となるべき検査は、血液検査・腹部エコー・CT・胃カメラ・(大腸カメラ)かと思います。
程度によっては緊急性が高いこともあるため、自然に収まるならよいのですが、症状が遷延したり明らかに痛みが強くなっている際は必ず病院を受診することをお勧めします。
危険な腹痛の兆候
・長時間改善しない
・明らかに痛みが悪くなってきている、耐えられない
・自分で触ってみるとピンポイントで明らかに痛い
上記のような状態は危険な疾患、治療介入が必要な可能性が高いため、必ず病院を受診してください。
穿孔・虫垂炎・憩室炎・胃潰瘍など危険な疾患の可能性があります。
上腹部痛
場所によって必要な検査は変わりますが、基本的に上腹部痛の際のファーストチョイスは胃カメラと腹部CTであることは間違いないかと思います。
当院にCTはありませんが、SEEDS CLINIC様と連携しており、徒歩5分で到着し、空いていれば当日撮影も快く受けてくださります。
CT画像がリアルタイムで当院に飛んでくるため、CTが必要な際は、SEEDSに連絡後いっていただき、そのまま戻ってきてもらい画像を見て院長が読影した結果をお伝えすることが出来ます。
胃カメラが何よりもファーストチョイスになるのは明らかに胃アニサキスを疑うときだと思います。サバなどを生で食べた次の日の上腹部の激痛です。
上腹部痛ですと胃・十二指腸潰瘍や急性胃炎が鑑別に上がるため、胃カメラも同様に必要な検査です。急性膵炎や心筋梗塞もあり得るので、場合により血液検査も必要です。
一方エコーが力を発揮するのは肝臓・胆嚢の領域です。特に胆石・胆嚢炎はエコーが強いです。
ですので、上腹部から腹部真ん中あたりの痛みであれば採血・CT・胃カメラ・エコーを組み合わせてと感じます。
下腹部痛
一方で下腹部痛の場合はほぼCTの一択です。
尿路結石や虫垂炎、クラミジアによる腹膜炎なども当日にCTを依頼して診断したケースがあります。正直大きな病院だとよほど緊急性が高くなければ当日CTは難しい(経験上、当日緊急CTやMRIは検査が多い大病院ですと、かーなり現場の皆様に渋られるので敷居が高いのです。)ため、どこよりもはやく連携先にてCTを撮影いただけると思っています。
エコーは下腹部ではガスが多く、なかなか力を発揮できません。
大腸カメラは腹痛の精査にはあまり意味をなさず、基本的に腸の炎症や腫瘍を探すための検査ですので、血便などがあって腸炎や虚血性腸炎を疑い、必要があればという感じです。
僕の場合は大まかにこんな風に考えて診療を行っています。
腹痛の方は多く来院され、SEEDS CLINIC様には当日CTを依頼することも多く、大変お世話になっています。
決してルーチンのように必要性の乏しい検査を提案はせず、考えうる疾患から必要な検査を提案させていただきますため、腹痛でお困りの際はいつでもお問い合わせください。
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