血便・下血って何ですか?
血便と下血のどちらも、便に血が混ざっている状態を示します。血液は鮮血(明るい赤色)や消化された血液(暗い赤色〜黒色)として現れることがあります。血便の原因は様々であり、大腸や直腸の疾患(大腸がん、痔、大腸ポリープなど)や消化器系の疾患(胃潰瘍、食道静脈瘤など)が関与することがあります。
いずれにせよ、内視鏡検査を検討すべき兆候であるため、考えうる疾患は下記をご参照ください。
当院では、とにかく楽に検査を受けていただけるよう、内視鏡の種類や鎮静剤の使用にこだわり、「正確で苦しくない内視鏡検査」をご提供できるよう尽力しております。
胃・大腸カメラ共に徹底した鎮静剤の調節による苦痛の除去を。必ず眠ったことを確認してから開始するため、鎮静剤を使ったものの眠れなかったり、検査でトラウマを抱えられている方もご安心ください。また、午前中~14時までにご来院いただければ当日の大腸検査も可能ですため、まずはご相談ください。胃・大腸カメラの同日検査や、当日WEB予約も可能です。
血便
便中に明らかな血液が含まれている状態を指します。血液の色が鮮紅色や赤色であり、便にまんべんなく混じっていることが特徴です。主な原因としては直腸や大腸の疾患(出血性のポリープ、炎症性腸疾患、大腸がん、痔、肛門裂傷、肛門内蔵瘻など)が考えられます。
若年であれば多くは痔や一過性の腸炎ですが、潰瘍性大腸炎や腫瘍も心配です。高齢になってくると大腸腫瘍がより心配になります。良性疾患が原因の血便であるにしろ、大腸内視鏡検査での悪性疾患の除外が基本的には推奨されます。
下血
医学的には黒色便のことを下血と表現し、上部消化管出血を示唆されますが、しばしば混同して使われています。しかし医療者であっても混同して表現してしまうことがありますので、わかりやすく黒色便や血便と色で表現したほうが分かりやすくはあります。
黒色便の場合は上部消化管からの出血が原因となりますため、胃カメラが必要になります。まれですが小腸出血が原因となることもあります。
心配いらない血便や下血はあるの?
一般的には、血便や下血は身体に異常が起きていることを示すものであり、無視するべきではありません。血便・下血が起こっている場合は消化管からの出血の疑いがありますが、出血量があまり多くない場合は明確な自覚症状が出ない場合もあります。特に、健診などの便潜血検査で陽性と分かっても、排便する時に目で見て分かるくらいの出血がなければ、症状を自覚することは難しいです。
しかし、出血量が多くなり貧血が起こると、頭痛、息切れ、動悸、ふらつき、めまいなどの症状を自覚するようになります。また、大量出血によって重度の貧血が起こると、血圧低下、意識低下、冷や汗、湿疹、呼吸数や心拍数の異常などのショック症状に繋がりますので、注意が必要です。
症状が特にない状態でも下血や血便が起こっている際は、消化管で出血が起こっている恐れがありますので、大腸内視鏡検査などの精密検査により、出血の原因を特定する必要がありますので、症状にお気づきの際は当院までご相談ください。
血便・下血の主な症状
出血に伴う症状
- 息切れ
- 動悸
- 頭痛
- めまい
- ふらつき
など
出血の原因となる病気による症状
- 腹痛
- 胃痛
- 排便異常(コロコロした便、便秘・下痢、細い便が出る など)
- 肛門痛
- 発熱
など
血便・下血の原因
墨のような黒い便(黒色便・タール便)の場合
墨のような黒い便(黒色便・タール便)は、上部消化管での出血が原因となることがあります。具体的には、食道、胃、または十二指腸などの上部消化管の病気や問題が血液の出血を引き起こし、それが便と混ざって黒色に変化します。
一般的な原因としては、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、食道静脈瘤、胃がん、出血性胃炎などが考えられます。これらの疾患による出血が消化管を通って便と混ざるため、便が黒色になります。黒色便やタール便があれば、なるべく早めに胃カメラ検査を受けるようにしましょう。
次に挙げるものは、考えられる原因疾患の一例です。
食道の病気
- 逆流性食道炎
- 食道がん
- 食道静脈瘤破裂
- マロリー・ワイス症候群(Mallory-Weiss症候群)
など
胃の病気
- 胃潰瘍
- 胃がん
- 急性胃粘膜病変(AGML:Acute Gastric Mucosal Lesion)
- 胃過形成性ポリープ
- 胃MALTリンパ腫
- 胃静脈瘤破裂
など
十二指腸の病気
- 十二指腸潰瘍
- 十二指腸がん
- 十二指腸静脈瘤破裂
など
鮮血便、暗赤色便、粘血便の場合
暗赤色便、鮮血便、粘血便については、大腸で出血の原因となる疾患などが起こっている恐れがあります。具体的には、大腸ポリープ、大腸がん、潰瘍性大腸炎、ヘモロイドなどが考えられます。これらの疾患が原因で出血が生じ、便中に血液が混ざることがあります。大腸のいずれかで出血している可能性が高いため、なるべく早めに大腸カメラ検査を受けるようにしましょう。
次に挙げるものは、考えられる原因疾患の一例です。
大腸の病気
- 大腸ポリープ
- 大腸がん
- 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎)
- 虚血性大腸炎
- 感染性大腸炎
- 急性出血性直腸潰瘍
- 大腸憩室出血
- 放射線性腸炎
- 宿便性潰瘍
- 痔核
など
血便や下血があった場合は、どうすれば良いの?
血便・下血の症状があれば、どこかしらの消化管で出血を引き起こす疾患が起こっていると考えられるため、なるべく早めに胃カメラ検査や大腸カメラ検査を受けるようにしましょう。
痔やストレスによるものだと軽く考える方もいらっしゃいますが、胃がんや大腸がんによって血便・下血が起こっている恐れもありますので、ご自身で判断することはやめましょう。
便の経過、状態、症状などを基に、胃カメラ検査と大腸カメラ検査のどちらを行うべきか判断します。気になることがあれば、まずは当院までご相談ください。
血便や下血の原因を調べるための検査について
血便・下血が起こっている際は、CT検査、血液検査、内視鏡検査(胃カメラ検査、大腸カメラ検査)などを行います。中でも、内視鏡検査(胃カメラ検査、大腸カメラ検査)は原因特定のために非常に大切な検査です。
以下ではそれぞれの検査について詳しくご説明しています。
血液検査
血液中のヘモグロビンや赤血球の数などを調べ、出血による貧血の程度を評価します。また、炎症マーカーや特定の疾患の有無を確認するための検査も行われる場合があります。
画像検査
大腸や消化管の異常を詳しく評価するために、レントゲン、CTスキャン、MRIなどの画像検査が行われることもあります。
内視鏡検査(胃カメラ検査、大腸カメラ検査)
血便・下血の原因を的確に診断するには、内視鏡検査が不可欠です。検査中に出血部位が特定できれば、その場で止血することもできます。血便・下血の原因特定のために、優先して受けるべき検査と言えます。
当院の胃カメラ検査、大腸カメラ検査
当院では、血便や下血の原因を正確に診断するために、内視鏡検査(胃カメラ検査、大腸カメラ検査)を行います。これにより、原因が特定されれば、適切な治療が可能です。
当院では、安心して検査を受けていただけるよう、内視鏡の種類や鎮静剤の使用にこだわり、「正確で苦しくない内視鏡検査」をご提供できるよう尽力しております。
胃・大腸カメラ共に徹底した鎮静剤の調節による苦痛の除去を。必ず眠ったことを確認してから開始するため、鎮静剤を使ったものの眠れなかったり、検査でトラウマを抱えられている方もご安心ください。
胃カメラはスムーズな予約から検査の体制(事前来院不要・当日予約可能)や、AI技術による最新の検査設備。
大腸カメラは日帰りのポリープ切除術(大きいものも対応可)、オンライン診療を用いた来院不要の下剤郵送体制・病理結果説明、即日・当日可能な検査体制。
胃カメラと大腸カメラは連続して同日に1回で行うことも可能です。
もし症状にお悩みがある場合は、ぜひ当院にご相談ください。専門的な知識と経験豊富な医師がすべての検査を行っております。