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潰瘍性大腸炎・クローン病

炎症性腸疾患について

炎症性腸疾患(IBD)は若い方に好発し、腹痛・下痢・血便といった症状を主体とした慢性の腸管炎症を来す疾患群で、主に潰瘍性大腸炎(UC)とクローン病の2疾患があります。原因は不明ですが免疫異常などの関与が考えられています。
IBDの治療薬の進歩はまさに日進月歩であり、この領域に特化した専門医がいます。クリニックでできるレベルの治療と大病院で専門医にお願いするレベルの治療がありますので、状態に応じて適切に対応させていただきます。

潰瘍性大腸炎について

潰瘍性大腸炎潰瘍性大腸炎は主に大腸に慢性的な炎症や潰瘍が生じる疾患です。
それに伴い、下痢・血便・腹痛といった症状が無治療ですと一過性ではなく長期的に持続します。こういった症状がある方に大腸カメラを施行することで総合的に診断されます。

潰瘍性大腸炎の検査・診断

まずは慢性的に腹痛や血便を呈する際に大腸カメラを施行することが重要です。
典型的には直腸から口側に連続性に粘膜の粗造な粘膜・易出血性・多発びらんなどの所見が見られますが、通常の腸炎(感染性腸炎など)でも類似した所見が見られることがありますので、診断基準にもありますが、前提として長期的に症状が持続するといった経過から総合的に診断することが重要です。
血液検査や症状から臨床的な重症度を、内視鏡の所見から炎症の広がりと程度を判定し、その時の状態に応じて適切な治療介入を行います。

当院の大腸カメラ検査の特徴は、①徹底した鎮静剤の調節による苦痛の除去、②日帰りのポリープ切除術(大きいものも対応可)、③オンライン診療を用いた来院不要の下剤郵送体制・病理結果説明の3点を考えています。患者様が受診しやすく、使いやすい環境を整えていますためご活用いただけたらと思います。

当院の大腸カメラ検査

潰瘍性大腸炎の治療

症状が強い活動期と治療介入により安定している寛解期に分けられますが、治療の考え方としては活動期には寛解状態に持っていく寛解導入治療を、寛解期にはその状態を維持する寛解維持療法が必要となり、それぞれで治療薬が異なる場合があります。基本的に寛解維持が必要なため、治療をずっと継続していく必要があります。

治療薬に関しては5-ASA製剤(ペンタサ、アサコール、リアルダ、サラゾピリン等)やステロイドが基本の治療となりますが、これらの治療を行っても改善が得られない場合は専門的な治療が必要となり、非常に多彩な選択肢がありますので専門医に紹介させていただくことになります。

クローン病について

クローン病潰瘍性大腸炎は主に大腸に炎症を起こす疾患ですが、クローン病は口腔から肛門まで消化管のあらゆる部位に炎症が起こりうる全身疾患です。小腸と大腸を中心に炎症を起こして潰瘍を形成し、狭窄や瘻孔を起こしうることが特徴とされます。大腸だけに炎症が限局している際は潰瘍性大腸炎と鑑別が難しいケースも存在します。症状としては病変の部位と範囲によりますが、下痢・腹痛のほか、痔ろう・肛門周囲膿瘍などの肛門病変、発熱・体重減少・栄養障害などの全身症状、さらに関節炎による関節痛や皮膚病変などを随伴することもあります。

クローン病の検査・診断

クローン病が疑われた際は消化管全体の評価が必要で、胃カメラ・大腸カメラのほか、CT検査やカプセル内視鏡などで小腸の評価も必要になってきます。CTやカプセル内視鏡などの評価は検査可能な施設にご紹介させていただきます。典型的には腸管に縦走潰瘍や敷石像といった所見を認めます。
クローン病も定期的な胃・大腸カメラは必要になることがありますが、苦痛のない検査を当院は目指していますためお気軽にご相談ください。

当院の大腸カメラ検査

クローン病の治療

治療は5-ASA製剤、ステロイド、栄養療法を行い、これらの治療が無効である場合は専門的な治療が必要になってきます。瘻孔や膿瘍、狭窄に対しては外科的処置や内視鏡的バルーン拡張術などが必要になることがあります。

難病医療費助成制度について

潰瘍性大腸炎とクローン病は厚生労働省が定める「指定難病」の1つであり、一定条件を満たす際に医療費助成の対象となります。
いずれも一定以上の重症度である際や、軽症であっても高額な医療費を払っている際は助成がおります。