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下腹部の痛み

下腹部痛は何科?

下腹部痛下腹部痛の原因にはさまざまな疾患が考えられますが、一般的には内科や消化器科、泌尿器科などが関与することがあります。消化器系の疾患としては、大腸の炎症や潰瘍、腸閉塞、虫垂炎などが考えられます。また、泌尿器系の疾患としては、尿路結石、膀胱炎、尿道炎などが関与することがあります。女性では月経関連の痛みや婦人科系の問題が考えられます。
左下腹部痛や下痢、グルグル音がある場合は大腸疾患の可能性があります。急激な痛みや左右の鋭い痛みは尿管や腎臓の問題が考えられます。全体的な鈍い痛みは前立腺や子宮・卵巣に関連する可能性があります。
急激に我慢できない程の腹痛が生じた際は、迷わず救急車を呼んでください。

当院は即日の内視鏡検査、連携施設での緊急CTが可能な体制を整えていますためお気軽にご相談ください。
苦痛のない完全に眠れる内視鏡検査、即日検査可能な胃・大腸内視鏡検査体制
②徒歩5分でCT撮影可能な画像センターとの連携

胃痛・腹痛が続くときに必要な検査

早急に受診が必要な症状

  • お腹の特定の箇所を押すと痛みが増す
  • 動くと痛みが増す
  • 痛みが強くて眠れない、痛みで就寝中に目が覚める
  • 何度も嘔吐する
  • 下血や血便の症状がある

受診をお勧めする症状

  • 痛みが長引いている、頻繁に痛みが生じる
  • 下痢、嘔吐、発熱の症状もある
  • 下痢や便秘が頻繁に起こる

考えられる疾患

右下腹部痛

右下腹部痛の場合、以下のような疾患が考えられます。

    1. 虫垂炎: 盲腸の炎症であり、急性の右下腹部痛が特徴です。
    2. 高位の尿路結石: 尿管や腎臓の結石が原因で、激しい痛みが生じます。
    3. 大腸疾患: 大腸の炎症や潰瘍性大腸炎などが右下腹部痛を引き起こすことがあります。
    4. 卵巣の問題: 女性の場合、右側の卵巣の炎症や嚢胞、卵巣出血が右下腹部痛の原因となることがあります。

ただし、痛みの原因は個人によって異なる可能性があります。痛みが重度である、激しい吐き気や嘔吐がある、高熱がある場合は、速やかに医療機関を受診することをお勧めいたします。

左下腹部痛

左下腹部痛の場合、以下のような疾患が考えられます。

    1. 大腸疾患: 左下腹部に炎症や潰瘍性大腸炎がある場合、左下腹部痛が生じることがあります。
    2. 過敏性腸症候群: 腸の運動異常により左下腹部痛が起こることがあります。
    3. 卵巣の問題: 女性の場合、左側の卵巣に嚢胞や炎症がある場合に左下腹部痛が生じることがあります。
    4. 腸間膜リンパ節炎: 腸間膜に炎症が生じることで左下腹部痛が発生することがあります。
    5. 腸閉塞: 腸の通り道が詰まることで左下腹部痛が生じることがあります。

痛みが激しい、腹部が硬くなる、高熱がある場合は、お早めに医療機関へご相談ください。

臍下部(へその周辺)、下腹部全体の痛み

臍下部(へその周辺)や下腹部全体の痛みの場合、以下のような疾患が考えられます。

    1. 腸の炎症や感染症: 過敏性腸症候群、クローン病、潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患や感染性胃腸炎などが下腹部の痛みを引き起こすことがあります。
    2. 膀胱炎や尿路感染症: 膀胱炎や尿道炎などの尿路感染症が下腹部や臍下部の痛みを引き起こすことがあります。
    3. 腹部神経の疾患: 神経の過敏性や炎症によって腹部全体の痛みが生じることがあります。
    4. 骨盤内の問題: 子宮内膜症や卵巣の問題、子宮筋腫などが下腹部や臍下部の痛みを引き起こすことがあります。
    5. 腸閉塞や腸の腫瘍: 腸閉塞や腸の腫瘍がある場合、下腹部全体に痛みを引き起こすことがあります。

痛みが激しい、突然の腹痛がある、吐血や血便があるなどの緊急性のある症状がある場合は、速やかに医療機関を受診することをお勧めいたします。

考えられる消化器関連疾患

便秘

便秘によって腸内に便が滞ると、腸の蠕動運動が低下し、腸内圧が上昇します。これによって腹部に不快感や痛みが生じることがあります。また、硬い便が直腸を刺激することで痛みを引き起こすこともあります。さらに、腸内での便の滞留によって腸内細菌の活動が増加し、ガスの生成や腸内圧の上昇が起こることも痛みの原因となります。これらの理由から、下腹部痛が便秘の症状として現れるケースがあります。

便秘について

大腸憩室炎

下腹部痛で大腸憩室炎が考えられる理由は、大腸の壁にできた袋状の膨らみ(憩室)が炎症や感染を起こすためです。この憩室に便が滞留することで、細菌の増殖や炎症が進み、痛みや不快感が生じます。憩室にかかる圧力や憩室の破裂、周囲の組織への圧迫も痛みを引き起こす要因です。

下腹部の痛みは、通常、憩室の位置に集中し、症状は慢性的に継続することもあれば、急性的に悪化することもあります。便の変化(例:便秘や下痢)、膨満感、発熱、触診時の圧痛なども大腸憩室炎の典型的な症状です。

大腸憩室炎の早期の診断と治療が重要です。当院では、症状の詳細を問診し、必要に応じて検査(例:腹部超音波検査、大腸内視鏡検査)を行い、適切な治療を提案することができます。

大腸憩室について

炎症性腸疾患

下腹部痛で炎症性腸疾患が考えられる理由は、炎症性腸疾患が大腸や小腸の壁に炎症を引き起こすためです。炎症性腸疾患にはクローン病と潰瘍性大腸炎があり、どちらも慢性的な炎症が続く疾患です。

下腹部痛は、通常、炎症が起こっている部位によってその位置や性質が異なります。クローン病では、腸管のどの部位でも炎症が生じる可能性があり、下腹部痛が広範囲にわたることがあります。一方、潰瘍性大腸炎では、主に大腸の内腔に炎症が生じるため、下腹部の左側に痛みが集中することが多いです。

下腹部痛以外にも、炎症性腸疾患では下痢、便血、体重減少、食欲不振、疲労感などの症状が現れることがあります。診断には、症状の詳細な問診、身体検査、血液検査、大腸内視鏡検査、組織検査などが行われる場合があります。

炎症性腸疾患について

過敏性腸症候群

過敏性腸症候群(IBS)は、腸の機能や感覚の異常に関連する慢性的な疾患であり、下腹部痛が主な症状です。IBSでは、腸の蠕動運動が異常になったり、腸の感覚が過敏になったりすることで、下腹部に痛みや不快感が生じます。痛みの性質や場所は個人によって異なり、排便と関連して増減することがあります。他の症状には便秘や下痢、膨満感、ガスの溜まりやすさがあります。IBSの診断には他の疾患の可能性を排除するための検査が行われることもあります。

過敏性腸症候群について

感染性腸炎

感染性腸炎は、腸管に感染が広がることで下腹部痛が起こる可能性があります。感染症の原因となる細菌、ウイルス、寄生虫などが腸に侵入し、炎症や腸の運動異常を引き起こすことがあります。その結果、下腹部に痛みや不快感が現れることがあります。

感染性腸炎では、急性的な症状が一般的で、下腹部の痛みは鋭い刺すような感覚や痙攣的な痛みとして現れることがあります。他の症状には下痢、嘔吐、発熱、腹部膨満感、便の変化などがみられることもあります。

感染性腸炎について

虚血性腸炎

下腹部痛が虚血性腸炎の可能性がある理由は、腸の血流が減少または停止することによって腸組織が酸素や栄養不足になり、炎症や組織の損傷が起こるからです。虚血性腸炎は、血管の問題や血流障害によって引き起こされます。下腹部痛は急激に始まり、激しい痛みとなることがあります。腹部の特定の部位での痛みや持続的な痛み、腹部の張り感、吐き気、嘔吐などの症状が現れることもあります。虚血性腸炎は、緊急を要する場合もあるため、早めに医療機関を受診し、適切な治療を開始することが大切です。

虚血性腸炎について

虫垂炎

下腹部痛で虫垂炎が考えられる理由は、盲腸の一部である虫垂が炎症を起こしているためです。虫垂の内部が詰まることにより、細菌の増殖や炎症が起こります。

虫垂炎の主な症状は、右下腹部に痛みが現れることです。初めは軽度の痛みから始まり、次第に激しくなることがあります。他の症状には発熱、嘔吐、食欲不振、下痢や便秘が含まれることもあります。

虫垂炎は早期に治療する必要があります。炎症が進行すると虫垂が破裂し、重篤な合併症を引き起こす可能性があります。

大腸がん

下腹部痛が大腸がんの疑いがある理由は、大腸がんが腸の壁にできる腫瘍であるためです。この腫瘍が圧迫や炎症を引き起こし、下腹部に痛みや不快感が現れます。また、腫瘍が進行すると腸の通り道が狭くなり、腹痛が生じることもあります。さらに、腫瘍が腸の内壁を損傷し潰瘍や出血を引き起こすこともあり、その結果として血便や腹痛が現れることもあります。

ただし、これらの症状は必ずしも大腸がんを意味するわけではありません。他の疾患が原因となることもありますので、適切な診察や検査が必要です。下腹部痛がある場合は、早めに専門医に相談してください。

大腸がんについて

下腹部痛の検査

血液検査

下腹部痛の血液検査では、炎症マーカー(CRP)、白血球数、腎機能指標(BUN、クレアチニン)、肝機能指標(AST、ALT、アルカリホスファターゼ)、貧血マーカー(赤血球数、ヘモグロビン)、感染マーカーなどが検査されます。これらの結果は、炎症や腎臓・肝臓の異常、貧血、感染症の有無などを評価するのに役立ちます。ただし、血液検査だけでは病気の診断はできず、他の検査結果や症状と総合的に判断されます。

大腸カメラ検査

大腸内視鏡検査(大腸カメラ検査)では、スコープを大腸に挿入して内部を観察します。主な目的は、大腸の病変や異常を確認することです。検査の前には腸をきれいにするための下剤や食事制限が行われることもあります。検査中は、鎮静剤を使用して患者の不快感を軽減します。大腸カメラ検査により、大腸がん、ポリープ、炎症性腸疾患、憩室、出血などの病変を確認することができます。検査結果は、病状の評価や治療計画の立案に活用されます。検査前後の指示に従い、安心して検査を受けましょう。

当院の大腸カメラ検査

腹部超音波検査(腹部エコー)

超音波検査では、超音波を用いて内部組織や臓器の画像を生成します。医師または超音波技師が腹部にゲルを塗り、超音波プローブをなめらかに移動させながら検査を行います。

下腹部痛の症状がある場合、腹部エコー検査で見つかる病気には、腸の炎症や潰瘍、膀胱炎、子宮筋腫、卵巣のう腫、腎臓結石、膵臓炎などがあります。

検査時間は通常5〜15分程度で、安全性が高く評価されています。検査中はほとんど不快感や痛みはなく、同じ部位を何度もゆっくりと確認できるだけでなく、リアルタイムで状態や動きを確認することも可能です。ただし、超音波は空気や骨には透過しにくいため、気体の存在や深部の骨の検査には適していません。