内視鏡治療について
当院では内視鏡を用いた治療も日帰りでの治療が可能です。
当院は胃ポリープ切除、大腸ポリープ切除、直腸NET切除、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)にも対応可能です。
しかし、日帰りで行うにはリスクが高いものに関しては入院施設のある病院に適切にご紹介させていただきます。
紹介先に関してはご希望でどこにでも紹介可能なのでご希望をお申し付けください。
治療内容に応じて治療後に激しい運動・旅行・飲酒などの制限が生じる際があります。一律ではなく治療内容に応じてこれらは変化しますので適宜ご説明させていただきます。
当院で主に行う内視鏡治療
胃ポリープ切除
胃のポリープはほとんどが切除の必要がない良性のポリープですが、中には癌化の可能性が否定できないポリープも存在します、輪っかをかけて電気を通して切除する治療が一般的ですがあまりに大きいものでなければ当院でも対応可能ですのでご相談ください。
大腸ポリープ切除
大腸内視鏡検査の際に小さいポリープはその場で切除が可能です。大腸カメラの特性上小さめのポリープですと再発見が困難なこともあり、また下剤を再度飲むとなると大変ですのでお勧めです。
基本的には小ポリープが多くcold snare polypectomy(CSP)という方法で電気を通さずにポリープを切除します。CSPの方が処置にかかる時間が早く、出血や穿孔(腸に穴が開く)といった合併症が少ないとされています。
大き目のポリープや癌化を強く疑う病変のは電気を通してとる場合があります。当院で可能な範囲のものでしたらこちらも日帰り手術が可能ですのでご相談下さい。
※大き目な病変は通電をするため、術後1週間は激しい運動・旅行・お酒は控えていただきますが、基本的に通常の生活が可能です。
直腸神経内分泌腫瘍(NET)切除術
大腸の中でお尻から入ってすぐの直腸とういう部位にカルチノイドという腫瘍が稀に見つかることがあります。こちらは全身に広がることがあり、治療すべき腫瘍です。腫瘍を吸引して内視鏡からゴムバンドを発射して縛ったうえで輪っかをかけて電気を通して切除する治療を行うことができます。こちらも日帰り手術が可能ですのでご相談ください。
※費用は通常の大腸ポリープ切除術と同じ料金になります。
内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)について
早期の食道がんや胃癌、大腸の茎をもたない2cmを超えるような大きな早期の癌を疑う病変はESDの適応になります。具体的には腫瘍の下に液体を注入して浮かして、内視鏡から電気を通せるナイフを出して腫瘍の下側を切って分割せずに一括で腫瘍を切除する方法です。
一般的には入院が必要な治療になりますが、難易度は一律ではなく、部位や条件によって容易なものから困難なものまで存在します。
院長の経験上比較的容易と考えられ30分以内に確実に終わり、合併症リスクもそこまで高くないと考えられる病変に関しては日帰り手術が可能です。
※院長はこちらの治療を専門として多数の症例を経験しています (咽頭ESD10件、食道ESD80件、胃ESD200件、大腸ESD200件、十二指腸ESD60件程度。※指導症例は含めず)。現在も他院にて治療・指導を担当していますため是非ご相談ください。内視鏡治療か外科手術かどうか専門医でも判断が難しい時がありますため、他院で病変を指摘されて方針に迷っている場合のセカンドオピニオンも可能ですため、お気軽にご相談ください。
胃の前庭部の病変、大腸の直腸の病変、抗血栓の内服がない方でしたら日帰り治療も対応可能です。(※院長が確実に30分以内で治療完遂可能と判断した病変のみ)
胃のESDは保険治療で受けられ、大腸ESDは自費診療になります。
治療後の注意点
- 鎮静剤をつかった患者様は検査当日の術後は車の運転ができなくなりますため、あらかじめご了承ください。
- 治療内容に応じて治療後に激しい運動・旅行・飲酒などの制限が生じる際があります。一律ではなく治療内容に応じてこれらは変化しますので適宜ご説明させていただきます。
- ポリープを切除した際は多くは通電をせずに切除せずCold snare
polypectomy(CSP)という方法を行っています。術後の遅発性穿孔(穴が開く)は基本的に起こりえず、出血は少ないですが一定頻度報告があります。治療後多量の出血がおしりから排出されるようであればご連絡ください。合併症も少ないことから術後の食事・飲酒・生活の制限は基本的にございません。 - 通電してポリープを切除した場合は、術後の出血・遅発性穿孔のリスクがCSPより高くなります。治療後に多量の出血や強い腹痛がある際はご連絡ください。当院としては通電をした際のみ、治療後1週間激しい運動と遠方への旅行とお酒を控えていただくことを推奨しています。入浴やシャワーなどはとくに制限はございません。
緊急時の対応について
内視鏡治療後の偶発症としては出血と穿孔が起こりえます。治療時に電気を通さなかった場合は出血・穿孔のリスクは比較的低いですが、電気を通した場合はリスクが上昇します。
術中の出血や穿孔は治療中に対処しますが、術後に一定頻度起こることがあります、術後出血兆候(吐血、黒色便、血便)が起こった際や腹痛が強い際はご連絡ください。可能なものは当院で対応し、状態に応じて入院施設がある病院にご紹介させていただきます。
切除した病変の病理結果について
基本的に治療を必要とする病変は癌化のリスクがあります。大腸のポリープの場合は良性の腺腫が癌化していくとされており、大部分が腺腫で内部が一部癌化している腺腫内癌が多いため、一部の組織採取する組織検査では診断がつかず、治療によってはじめて診断がつくことが多いです。また早期の病変ですと癌化しているかどうかは内視鏡の見た目だけでははっきりしないこともあり、顕微鏡の結果を待つ必要があります。
癌化していた場合は癌の深さに応じて内視鏡治療だけで治るものなのか、追加で外科手術が必要なのか決まります。深くなければ内視鏡で治ったと判断され、深かった場合は腸のすぐ外側のリンパ節に転移している可能性があり外科手術が必要になります。病理結果は治療後1-2週間で届きます、直接外来に来ていただくか、オンライン診療での結果説明も可能です。
費用について
保険診療 | 1割負担 | 3割負担 |
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胃ポリープ切除術(手術費) | 約6000円 | 約18000円 |
大腸ポリープ切除(臓器数による) | 約7500~9000円 | 約22000~27000円 |
胃ESD(手術費) | 約20000円 | 約60000円 |
大腸ESD(手術費・自費) | 150000円 | 150000円 |
こちらの費用は検査のみの値段であり、診察料や薬剤費用は含まれていません。精密検査(色素内視鏡検査・拡大内視鏡検査)を行った場合や、鎮静剤を用いた場合は別途精密検査費用・鎮静剤費用がかかります。